2024年2月29日第1版第1刷
帯付 裏見返しに書店シール貼付
※ 〈青山学院大学総合研究所叢書〉の一冊である本書は、近代パリにおけるオペラと文学の密接な相互作用を論じた本です。
近代パリの劇場文化、オペラにおける「翻案」(アダプテーション)、及び社会・政治的背景との関わりを軸に、グランド・オペラとワーグナー、マイヤベーアの影響関係、パリ・オペラ座が依頼したアレヴィのオペラ「ユダヤの女」の成立とリブレットを書いたウジェーヌ・スクリーブの役割、第二帝政期のパリ社交界におけるオッフェンバックのオペレッタなどを取りあげた、7篇の論考です。文学的テクストが音楽劇へと変容するプロセスや、当時の社会的な熱狂の正体は? 出版年から見て、フランス文学、フランス音楽研究の最前線を示す資料と見ていいでしょう。近代パリの文化史のなかに、台本と音楽の関係を読み解こうとする試みです。(Ho)
※※ 目次
まえがき
バルザックの『十三組物語』と『娼婦の栄光と悲惨』
―オペラにおける借用から翻案まで 澤田肇
グランド・オペラとヴァーグナー
―定型としてのグランド・オペラとマイヤベーアからの影響関係をめぐって 稲田隆之
オペラ《ユダヤの女》の成立
―台本作家ウジェーヌ・スクリーブをめぐって 和田惠里
第二帝政期のパリ社交界とオッフェンバックのオペレッタ
―「時代」を笑う、「いま」を笑う 福田美雪
化粧部屋をめぐる「もう一つの」てんまつ
―ラヴェル《スペインの時》とセノグラフィー 荒木善太
ポール・デュカス《アリアーヌと青ひげ》の神話論理的解釈
―ヴァーグナーとレヴィ=ストロースの間で 安川智子
音楽の方へ
―エミール・ゾラと永井荷風におけるオペラの美学と象徴の哲学 林信蔵
参考文献
人名索引
音楽作品索引
「あとがき」にかえて―「時代遅れ」でつねに新しいオペラについて語ること