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ザイフリート・ヘルブリング ―中世ウィーンの覇者と騎士たち― 平尾浩三訳 郁文堂

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1990年11月1日初版 函 帯付 帯微イタミ 函微イタミ・少ヨゴレ 本体は小口に1点のシミありますが、全体に状態良好です 扉頁に訳者による謹呈署名有(宛名は中世英文学者) ※ 13世紀末のウィーンを舞台にした、騎士道の黄昏を告白する、なかなか渋い写実文学。1283年から1299年頃にかけて、ザイフリート・ヘルブリングと称される匿名の作者によって書かれた15篇の詩から成る論争詩集です。栄光に満ちたアーサー王的な「騎士道物語」とは真逆の、現実の騎士たちの窮状を描きます。新興勢力(官僚騎士)への憎悪、田舎貴族の無教養、そしてウィーンの都市化によって崩壊していく封建的な秩序が、皮肉と嘆きを込めて綴られています。つまり、没落する騎士の視点によるもの。折しも、ルドルフ1世によってハプスブルク家がウィーンを支配しはじめる激動期。その意味では政治史的な資料価値も高い作品と言っていいでしょう。中世ドイツ語からの世界初訳。  余談ながら、18世紀のホレス・ウォルポールが「オトラントの城」で理想化された中世(暗黒と神秘の迷宮、すなわちゴシック)を捏造したのに対して、この本は、古拙にして力強い文体によって、中世が自ら語った、中世の終わりの不格好な真実、それも金と権力とマナーの崩壊に喘ぐ現実を愚直に記述したものであり、「反・啓蒙」の先駆けとしての価値も認められるんじゃないでしょうか。(Ho)

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